11.漬物の歴史 大腸キレイの糸口?

11.漬物の歴史

漬け物の記録は奈良時代以前にはほとんどない。 塩漬けは土器が造られていた縄文時代にはあったと思われる。海水から結晶塩を作っていたこともわかっている。漬け方は塩漬け、醤油漬け、未醤漬け、酢漬け、・・・
材料は、ウリ、ナス、ナギ、アザミ、フキ、セリ、カブラ、ワラビ、ウハギ、ショウガ、サンショウ、ミョウガ、ダイコン、ニンニク、ニラ、ヤマアララギ、モモ、ダイズ、アオナ

 

漬け物の神様

名古屋の萱津神社(かやつ)、漬物祖神といわれる。海辺で塩が取れ、土地が肥えたため、野菜と塩の両方を奉納していた。それが勝手に自然発酵して美味しい漬け物になっていた。この不思議で保存良い食べ物を神の賜りもの、万病の妙薬とし、藪にも、香の物として毎年8月21日
神前でつけ込み式が行われる。

 

漬け物という文字の起源

平安末期の辞書 「伊呂波字類抄(いろはじるいしょう)」に記載があるので、漬け物の文字は平安時代から使用されるようになったらしい。 奈良時代、塩の価格は米の2倍もしており、高価な塩を使った漬け物は、高級な食べ物だったことがわかる。

 

香の物の語原

  • 室町時代から、江戸時代「漬物」に、今でも「香の物」「香々(こうこう)」「おしん香」と親しまれる。
  • 足利義晴や義輝将軍の御膳の献立に香の物が入っていた記録がある。
  • 漬け物が広く副食や、茶うけに用いられていた。
  • 元禄10年(1697年)刊の「本朝食鑑」には「膳に一飯一汁有りて魚菜なき時は香の物を以て食のたすけとなす」とある。
  • 戦国時代、食中毒や流行の病の予防に、戦傷の消毒や貧血の気付薬に梅干しは戦場になくてはならないものだった。解毒はもとより、整腸、食欲増進になった。
  • 家康は大阪冬の陣、茶臼山、茶店の老婆が天王寺蕪(かぶら)の粕漬け(かすづけ)を香の物として出した。また、夏の陣では奈良漬けに感激し、以来愛用した。

 

漬け物の役割

素材の旨味と栄養を素材の中に閉じこめると同時に、保存性を高めること。いずれも多かれ少なかれ、酸を含んでいる。体に良いとされる各種有機酸で、これらが胃腸内の酸度を調節し、胃腸壁を刺激して、その機能を活発にする。

漬け物中の有機酸は、病原菌を殺したり、その繁殖を抑制したりする効果も高い。同時に腸内で炉留化防止や病気に対する抵抗力を強める働きをしているビフィズス菌などの善玉菌の活性度をよくする効果もある。

野菜には、カルシウムが含まれ、漬け込み時に水分が減るだけカルシウム含有量が増える。野菜中のカルシウムは発酵によって出来る乳酸と結合して乳酸カルシウムになり、腸での吸収率が向上する。

 

上記のとおり、奈良時代から平安時代にかけて、漬け物に関する記録が多く、食生活の中で重要な位置づけを持っていたことがわかります。加工食品であると同時に消化を良くし、胃の調子を整える服薬的な役割も果たしていたのですね。

 

次はいよいよ解決策に迫ってみたいと思います。

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