10(1)日本人のDNAと古典から見る食生活

思わぬところまで深入りしましたが、せっかくなのでもう一段階入ってみます。

 

日本がつくった和食

日本人は、飢餓に対応するDNAを持ち、長い年月にわたって和食の食生活をしてきた。油脂と畜肉が欧米型なら、日本型は「だし」「魚介類」。ヨーロッパには存在しない食材
大根、かぶら、ハクサイをはじめとする野菜が日本にはある。油脂のうまさに対抗する出汁(ダシ)、アミノ酸、イノシン酸こそ、メタボリックシンドローム、糖尿病への最高の対策である。

 

確かにおいしい肉汁に弱い人は多いです。ケーキやチョコレートの甘い誘惑同様、一種の中毒症状なのかもしれません。
しかしうまみの深さという点では、鍋料理の最後に残った だし汁や、その後のおじやも負けていないのではないでしょうか。大根おろしと食べる魚も・・・

 

ちなみに牛肉以外の豚はどうだったのでしょうか?
こちらは縄文、弥生から飼育していた実績が残っているようです。

 

長寿をもたらす豚肉

豚の肉にはビタミンB1が多く長寿食。弥生時代の人達は豚を飼育していた。豚のルーツはイノシシだが、大陸で家畜化された豚が日本に到来したらしい。ビタミンB1が多く、脳の老化を防ぎ、体の疲れをとる。ネギ系の野菜といっしょに煮れば、その中の硫化アリルの作用によって、ビタミンB1の働きはいっそう効果的になる。長寿日本一の沖縄県は、豚肉消費量が全国へ行きのほぼ2倍。

 

栄養が不足するなど、昔の人は短命と思われていますが、実は100歳まで生きていた可能性もあるのです。

 

魏志倭人伝(ぎしわじんでん)より

中国の歴史書『三国志』中の「魏書」には、日本人について初めて書かれたとされている文章が見つかっており、文献の中で、長命で、百歳や九十、八十歳の者もいる
と描かれています。

第30巻烏丸鮮卑東夷伝倭人条の略称を …その人寿考、あるいは百年

 

このころのご馳走はなんだったのでしょうか?
その前にひとつ、ご馳走を意味する こんな言葉はご存知でしょうか。

 

饗(あへ)

ごちそう。もてなしの料理。 「あふ」は、神や主など位の高い高貴な人を饗応(きょうおう)する、もてなすという意味。田の神迎えの行事を「あえのこと」と呼ぶ、他の神様に秋の新穀を供える祭事が石川県奥能登地方で行われる。

 

この時代は食=命だったため、神と米と人が一体となったもてなしが重要視され、珍しい食べ物はその中の重要な要素だったことがわかります。

 

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