模倣(もほう)

image知合いの友達の友達からもらったというブルーレイ、というかDVD。

なぜに日本のコンテンツ、しかも一部、日本語字幕のついた映像の上に中国語が乗っかったコンテンツを海外から持ち帰ってくるのだろうか。

不可思議とかろうじて読める文字が、何気に著作権の保護という無駄なあがきをあざ笑うむなしさがある。

ブルーレイと書かれた表紙。実は中身はDVDだが、ロゴがむなしい。そして中には、ジャケットというべきか、ハードケースを買った時用のトールケース用の用紙が同梱されているという。

なんとこのソフトコンテンツの価格は、100円ちょっとだというから驚きだ。

妖怪なんたらというこのブームは、ゲームやテレビを無駄なものと割り切った人間には到底理解しにくいものであるが、そんなことよりも何よりも、テレビアニメを録画し、テロップ付けして、パッケージを整え、売られる姿を見るのは映像に関わるものとして、なんとも悲しいものだ。

しかし、一方で危惧もある。
現地に日本の出張所を持ち、頻繁に往復する人間によると、彼らは必死で生きているという。だからといって模造品に手を出し、食の安全を脅かすことを擁護する必要はないが、部屋の押入れに死人を入れておいたり、子供が子供を殺すような異質な事件はけっしてないと言う。

トンボがオリーブの葉にとまるのも模倣?

トンボがオリーブの葉にとまるのも模倣?

正規に13億を超え、こっそりと産まれた隠し子を合わせるととんでもない人口を抱える中国の人たち、特に末端の人たちは、今日を生きていくために必死であり、容易く想像できないほどのハングリー精神を持っているといえる。

かつて見たアメリカの工場になった行員へのアンケートでは、彼らの目標は自宅にテレビを置くことだったと記憶している。

幸いなのは、まだ中国人は独創の部分がかけているという。しかし時間の問題だと思う。なぜなら学びたいものには無料・無限の門、インターネットが、貪欲なものに微笑むから。

かつて日本もコンピューターを模倣し、電気製品をコピーし、少しづつ貯めたノウハウを昇華させて、新しいものを作った。

少しおおげさだが、思想である守破離や、浄土真宗の教行信証や曹洞宗(発心、修行、菩提、涅槃)の考え方に一致する。学ぶ(まねぶ)から、自己を忘れるほどそれに打ち込み、技能がつきそれが悟りになり、最後に天の力が加わるといった教えに繋がる。(本当はまだあるが)

ネットでの情報共有が加速化したため、昔ほど時間がかからないかも知れない。

そういえば、日本にやってくる留学生の子を見ていて、誰も彼も恐ろしく頭がいい。

母国語に英語に日本語が出来るだけでもすごいのに、まじめでがんばっている中国人を何十人と出会った。ハングリーさがこの強さを作っていると思う。

さてはて、本日帰省中での電車内。いい年の男3人が、4人がけの席を占領し、子供のような声ではしゃいでいる。手に持ったスマホのネットワークゲームと甲高い声が、子供が大人かの境界を行き来している。

戦後69年の昨日、20歳に満たない若者が戦争で去った意義や、戦後の何もない荒地で一から日本を作り上げた人たちの恩恵で今があることを思い偲ぶと、将来は本当に危ういと感じる。

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失われた20年というが、まだその最中であり、記録更新中である。
ひとりひとりががんばって世界にで置いてかれないようがんばらなくてはいけない。

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