タリーシステムとは、複数台でのカメラ放送中で、出演者やスタジオスタッフに、どのカメラが有効かを知らせるものだとの記述があります。
実際には カメラやモニターの上につけて点灯させる赤いランプのことを指すようで、スイッチャーと連動したものと、双方向で会話出来る仕掛けや撮影中の映像をカメラマンに見せる機器などとセットにしたようなものまで纏めてタリーシステムと呼ぶ場合もあるようです。
なぜ必要になったか
タリーシステムとういのは、かすかに知っていただけで、運用したことがありませんでした。
しかしUstreamやYoutubeライブなどの生放送に関わるようになって、しかも複数人のカメラマンの映像をケーブルからもらってスイッチングするような用途になればなるほど、本格的になればなるほど、このシステムを考えないといけない事態になりました。
今回はスイッチャー担当者としては(といっても産まれて3度目ぐらいのなんちゃってですが)、逃げのセンター固定があれば、ゆっくりインカムで指示だせばいいとかおもいますが、テレビなど経験豊富なカメラマンはそうはいかないようで...もっとも逆の立場ならそうでしょうね。(笑)
また静かな場所では、もっと1カメさん寄ってとか、パンしてとか言えないケースがあります。高性能なインカムが用意出来ず、片方向のみの指示だけ になったり、もっと安価なトランシーバーになって結局何を言っているか聞こえなかったり、イベント収録以上に、生放送の現場は難しいのだと思い知らされます。
問題点と対策
しかしテレビのような放送室や、予算がたくさん付いて専門家と機材群をバンバンレンタル出来るという贅沢構成 でない限り、大げさな仕組みは制作チームにとって大きな負担になります。もっとも予算をクライアントからもらうためだけに、見た目を派手に、大掛かりにする現場があることも事実ですが。
ケーブル敷設や、運搬、保管などのコストや、時間。カメラや三脚、保存媒体、スイッチャーや変換ボード、モニターや音声など、そうでなくても大掛かりに なる映像制作。結局、現場がいつも泣くパターン。大型車じゃなく、電車で現場まで行きたいと思うけれど、まだまだ楽が出来ない映像制作なんですね。(本当は遅れや事故が怖いので公共機関を使いたいのですが。)
そこで、原点に立ち返り、ITとネットワーク、最新の身近なデジタル機器で シンプルにならないかと考えました。
必須の要素としては
オンエアーの絵(スイッチャーセレクト)をカメラマンに知らせる
使用中にカメラが動くことは放送事故を意味します。
カメラマン、スイッチャー双方向のやりとり
上記のカメラマン自身が気付いて動くパターンの他に、ディレクターからの指示を伝えたり、何らかのトラブルをカメラマンからもらったり、他のカメラマンと相談したりといった生放送ならではのトラブルに対処する必要があります。
ネットで検索してみた
たった1時間ですが、2、3調べてみました。
- ブラックマジックデザイン社のトークバックシステム
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagicstudiocamera - ブラックマジックデザイン社のタリー
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemconverters - 有線で行う場合の低価格なシステム
http://www.protechweb.jp/products/incom/fd400a/index.html
一つの結論
つまり iPhoneとiPadと、無線ルーターでいいやん(笑)
- 古いiPhoneに300円ぐらいのソフトを導入
- 無線LANルーター3000円で手に入れた
- 手持ちのiPhone4sと iPad mini、そしてカメラマン所有のスマホ
音声システムはまだ課題があり、タリーシステムほどの全仕様は実現出来ませんが、なんか面白い仕掛けになりそうなので、今度、本番で実験・実行してみます。
このところ、せっかく誰でも一般技術で映像を楽しめる環境が出来たと思ったら、記録媒体も規格も業務用機器は独自のものに変わって、また金持ちの道楽になりつつある現状、如何に安くいいものができるかがキーポイントになると思います。見かけはダサいが、軽快でコストパフォーマンスも良いものが探し出せればと思います。 |