オリーブ産業が花開くとき

Kobe motomachi bonsai olive exhibitionあるハガキが届きました。
展覧会の案内でしたが、特に日本最古のオリーブの木が神戸の地にあるという記述に目を惹かれました。

確か最古というと、一番最初は文久2年(1862年)に林洞海氏が植えたのが横須賀だったはずだから、今は存在しないことになる。しかもその13年後のイタリア産の苗に初めて実をつけた和歌山にもないということになります。

オリーブ盆栽展さらにその4年後、明治 12年(1879年)、多量の苗木をフランスから輸入し、
兵庫、和歌山、愛知、高知、長崎、鹿児島に分配試作、このうち兵庫(神戸市)に600本が植えられ、明治15年に初結実したといいます。

その時の神戸のオリーブが残っているとなると、日本にきて135年になる計算。ぜひ場所を聞きたいこともあり、展覧会にももちろん興味があったので、時間の隙間を見つけて盆栽展に行ってきました。

image普段、オリーブの苗木を扱っているとはいえ、さすがにこれは別世界。小さな苗木が、しっかり土に根付き、上昇志向&縦横無尽に独自の世界観をかもしだしています。何よりも、ほとんどの盆栽に実がついていたことに、可愛らしさを感じました。コケの緑もマッチしており、育てるというよりも、そのまま観る世界を深く実現していました。

そう、どこかで観た感じだと思ったら、寒牡丹。
春の牡丹は自由に元気に伸びて行くけれど、冬にも咲く二期咲きの牡丹は栄養も少なく、養分を花に集めて、風や昆虫がやってくる一瞬に花を咲かせる必要があります。この一回限りの受粉を目掛けて潜んでいる間、枝は少ない食事に耐えながら、苦しみながら独自の枝形成をします。

こっちは何割か人工ですが、それでも実も接ぎ木してないとのことで、子孫を残さなきゃ系の実のつき方なのか、きっと この盆栽も寒牡丹に近い精神状況があるのかもしれません。だから美しい。

また他にも、自己受粉する苗を集めたり、ギリシャのオリーブオイルやクラフト、image九州にある一点ものの木から採れたレアなオリーブオイル「名木オリーブ」もありました。オシャレな空間に間違いなくオリーブ好きが集まった。ありがたいことに出展者さまのご好意でそのオイルを試飲させて頂く光栄に預かりました。

何と表現していいか、とにかく、とってもマイルドで、引っかかりがない。

商業ベースを主とするとどうしても、果実をいかにたくさん取るかに焦点があたり、育成設計もそのようになりがちですが、このオイルは、まるで北海道の牛に自由に放牧させて、元気に育った乳を絞ったミルクを味わうかのごとく、素直なストレスない味に仕上がっているような気がします。

そして、こうしてたくさんの盆栽を見ていると、心落ち着くんだということも 長居してわかったことです。image

このオリーブ盆栽は海外から入ってきたようで、和洋折衷が苗木の世界でも起こっていると同時に、オリーブってまだまだ奥が深いと感じた次第です。現地で出会ったお客さんが、小豆島からわざわざ来ていたことや、他のコラボが華咲く話しを聞いていると、オリーブ好きは勝手に集まってくるのだと思いました。

いずれ 平和と家族繁栄と健康のオリーブは、目にも優しいよとさらに、全世界へと広がっていく様子が見えるような気がします。image

帰り際に聞いた冒頭の疑問。
神戸の地でどこにあるかと出展者に聞くと、なんと湊川神社というではないですか。そう、あの楠木正成が御祭神の神社。悪党中の悪党! 理想の国家を目指す後醍醐天皇の思いに同調し、国を思う深さと、正義を貫く意思の強さ、負けるとわかって立ち向かう忠義心は現代に忘れられたものを思い出してくれる。

ということで、久々に行ってみたら、18時越えていて門がしまっていた。残念。元町から歩いたのが要因か。また行きたいと思う。

展示会場: デラ・パーチェ
della-pace.seesaa.net

主催: OLIVE WORLD
有限会社ウェッブアイ

 

現地は、5日(日)まで。
ぜひオリーブオイルとオリーブクラフトと、オリーブの盆栽を観にってはいかがですか? 一部非売品もありますが、販売されているものも多いです。

 

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