幽玄な風景は視界不良、暗い空間で現れる?!

被写界深度の浅い絵、つまりピンとの浅い絵が神秘的なのはなぜでしょうか。

特に最近のカメラは映りすぎるから、ある程度、年齢を重ねた女性の顔アップを多用した映像をプレゼントしたら嫌われるように、はっきりしないものの方が喜ばれる世界は確かに存在するのかもしれません。

厚化粧の幽霊、いや違った 幽玄という言葉は歌舞伎界や、絵画の世界など芸術的ジャンルで使用される言葉のようで、目に見えない幻想的、優雅というような意味があるようです。世阿弥などの風姿花伝にも登場し、個人的には最近ブームな言葉でもあります。

osaka_castle結局、ディズニーランドの園内に鏡を極力置かないのと同様、その世界観に入っていくために現実に引き戻す可能性があるものを排除することと、同じことかもしれません。

その点で、被写界深度の浅い絵というのは、パンフォーカス&超広角の人間の目と比べても、非現実的であり、神秘的に映るのかもしれません。さらには明るさも必要な要素であり、霧が立ち込める場所も含めて、やはり心境的に不安になる暗闇ではなおさら、その傾向が強まるように思えます。

ということで、夕方の暗くなった大阪城公園に、被写界深度の浅いレンズLEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 と 30mm F1.4 sigmaをつけたPanasonic GH5で4K10bit30P,150Mbps動画を撮ってきました。

特に抜けの良いずっと先が見渡せる絵や、小さい水路の中を水が流れる音空間、ライトアップされた木々の中にあるベンチなど、昼間ならさほど目にとめないような空間が、思わず目を凝らして耳を傾けたくなる雰囲気になるから不思議です。

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