ボケは薬にベッド生活が作る。
ばあちゃんが手巻き寿司を握ってくれるというので、もらいに行った。具を用意して、きれいにそろえて切って、スダレのようなもの(まきす/まきすだれ)を使って、一本の簀巻きを次々につくってゆく。
ご飯が冷えないからもうちょっと待ってといったので、うちわを全力であおいでお手伝い。その我々の前で、95歳とは思えない手さばきを見せてくれた。しかも私が力任せにあおった風に吹き飛ばされそうな海苔を、文句ひとつ言わず、卵を文鎮替わりにして押さえるやさしさ。
社会と切れたらボケが早まるのは、真理ですが、結局は本人の気の持ちようでどうでもなるのではと感じた瞬間でした。
料理づくりは血液を活性化
料理をつくる工程は、ときに、ビジネスの進め方、段取りに置き換えて表現されることがあります。
つまり、最終目標を描き、材料を集め、湯がいたり、焼いたり、切ったり、コメを炊いて冷やしたり、同時並行しながら、具材の味付けを施す。そしてゴールに近づいていく。すべてグザイがそろったらあとは巻くだけの簡単手巻き寿司の要は、つまり段取り力である。
脳波を図れば間違いなく、振り切れるぐらい使っているし、心臓や脳に良い血流が見つかるだろう。
これがまさいくボケ防止であり、病院や薬屋にかからずとも、長生きできる秘訣だと思い知らされる。そしてなによりも、本人が楽しんでいることと、誰それに食べさせたいという気持ち、そして立ったままの料理に慣れていて、昔から山登りを欠かせなかったこともあって、足腰が丈夫であったことが大いに関係している。
金で解決する人は早死に?!
とにかく人の長生きと健康維持に金がかかるはずがない。
風邪だから風邪薬。便秘だから便秘薬。熱を出したら熱を冷ませるシートだという、おバカなものに依存する情弱な人から、依存が高まり、結果、早死にする。特に金持ちは薬屋に狙われる。という悪循環になることをまざまと見せつけられた瞬間である。