普段、四書五経の中庸や大学を、教わっておりますが、もっと学問が体系化される前から根付く孫子の13の戦略が有名です。
以下、週刊ダイヤモンドから抜粋。
- 勝算のある戦だけをせよ
- 短期決戦で勝負せよ
- 戦わずに勝つのがベスト
- 不敗の態勢で勝利を目指せ
- 集団の力で勢いに乗るべし
- 主導権を握って自在に戦え
- 相手の油断を誘うべし
- 臨機応変に対応せよ
- 敵情採索は入念に行うべし
- 地形に応じた戦い方をせよ
- 部下を全力で戦わせよ
- 冷静に戦争目的を達成すべし
- 情報収集、謀略活動を怠るな
企業人に人気の孫子。ソフトバンクの孫さんも愛用するこの不敗戦略、1日で読める範囲ですので、ビジネスマンはぜひ目を通しておくといいかもしれません。
気に入った言葉
一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法
- 道とは国民と君主とを一心同体にさせる(経営層と現場の意思統一)。
- 天は天候。(技術トレンド)。
- 地は地理(市場)。
- 将は将帥(有能なリーダ)。
- 法は軍の規律(組織体制)
孫子は日本人に合わない
多くの企業のトップ経営者が参考にしている記事もあって、大いに参考になりますが、勝つためには何でもありだった中国流をすべて学んでも、限界があります。
孫子では卑怯技を正攻法ありきで とはいうものの、しょせん、教育を受けていない素人農民同志の戦いを優位に進めるためには、卑怯であっても勝てば良いという寝首をかく要素が必要。
あえてうがった見方をすると、完成まで軍隊がいかなくても兵を200%で働かせる高揚感を与えて効率を上げるという、ブラック企業づくりというか、アヘン的戦略が見え隠れします。
日本は武士道精神をもったプロの兵士だから、孫子が否定する戦う前に口上を述べます。ヒーローもの特撮番組でも必殺技を言ってから敵に技を繰り出すという真面目路線 徹底がなされていいます。
つまり、勝てるようになったから戦うのではなく、これでもかこれでもかという突き詰めたクオリティーが自然と相手を凌駕するところまでいくのです。現代流は大手カメラメーカーのように技術を小出しし、ミニバージョンアップで稼ぐセコイ 売り方が増えたのもたしかですが、毎回、真剣な技術集団には決して勝てません。
悟りの世界に向かう姿が美に繋がる
おそらく真の日本流は世阿弥や千利休の世界。仏の世界では悟りの世界ともいえますが、味噌づくりにたとえるならば、味噌臭い味噌は上味噌にあらず。
少し歌や商品や、タレントとしてヒットしたからといってテレビで持ち上げられて、おれがおれがと偉そうに豪邸を建てたり、高級車を乗り回したり、本を出版したりする時点でにわか悟りの境地。
ぷんぷん臭ってくる。本当の悟った人は臭わないし、むしろ安心感がただよっていて、威圧感があるわけがないというわけです。
このあたりだけ見ても、孫子の考え方は卑怯な真似をしてもなんでも相手に負けないための戦法を内包し、顧客商売に例えるなら、悪い半完成品をだましても売り切ればいいとも取れてしまう恐れもあります。
一方でビジネスのトレンドは、先日の感動セミナーでも明らかになった、日本流。大家族経営主義や、資本主義ならぬ人本(じんぽん)主義の考え方なのです。
そう考えると、普段から日本式の言志四録(げんしろく)や闘戦教(とうせんきょう)を学べる機会に感謝です。 |