手軽になった動画の編集とアップロード作業。これもそれも、ネットモバイル回線の太さと、その料金定額制、そしてPCの高性能化があります。
ただし、自分ひとり好き勝手に作業できるなら、それらは簡単ながら、お客さんが目の前にいた場合は、大きく異なります。しかも昨日完成したばかりのキーボードが欠けた代用機では。
映像編集する人の大変さ
編集スタジオで働いたことはありませんが、スタジオで指示をしたことは、何度もありまして、そのストレスはとんでもないものだと思います。私ならですが。
ご想像の通り、技術を解っている人なら、こちらの事情も限界も解ってもらえますが、そうでない場合は、解るように説明する必要がありますが、レンダリング論や、細やかな事象を説明しても、役職付きの人ならなおさら、通じなくなります。
映像のプロならサクサクどんどん、あれを挿入、これをカットと、お客さんが脳内で編集するスピードには、どんなに編集のプロでもついていけません。
複雑なレイヤー構成でミスをすると、知らないところがずれていって、ぴょこんと横に飛び出し、後から悲劇に気付くことがあります。単なる作業だけなら簡単でも、引用したカンパケ映像の声とBGMを分離するところまで戻ると、出張先にもっていっていないこともあり、受けられません。
対策として
使う編集ソフトが手になじんでいることはもちろん、素材を途中に挿入したら全レイヤーが同時にずれる、そのレイヤーだけずれる、たまには保存して、プレビューして、レンダリング時間がなければ、過去の出力ファイルを再生するなど、全方向から、お客さんに待たせない工夫と、ミスしない技術が必要です。
そして指示通りすぐに作業できないパートなら、ノートに書いて、理解した旨伝えて、次に進む臨機応変さも必要です。そしてこれをやるには、これぐらい追加時間(そして費用)がかかる見積り力も脅し力もいるでしょう。
編集プロジェクトが複雑なとき
とにかく、単なるカット編集ならFHDでも4Kでもリアルタイムで、お客さんから指示がどんどん出たとしても、サクサク編集可能な機種も多いでしょう。
しかし、複雑な複数動画の重ね合わせや画面の合成、音声や映像の色をいじっていたり、アルファチャネル付き素材は基より、24Pや30Pの高転送レートの映像が混在し、それを低速のSDカードにプロジェクトファイルごと、封じ込めている場合は、簡単ではありません。
急ぎの怖さ
なにせ急ぎということは、ピンチはチャンスなんですが、昔、大手のメールや文書管理システムが半日以上ストップしてて、現場のSEとして修復を急ぐ恐ろしい顔のお客さんや、自社の営業などの強烈なプレッシャーで気が狂いそうになったことがあります。
本当は無理なものは無理で、焦れば焦るほど、ミスも増えて、システムの場合は取り返しのつかないことになることもありますから。この頃にお客さんを安心させることの大事さを考えさせられたものです。バカかとお客さんの胸ぐらを掴んだこともありましたが。
ということで、今日は約4時間、お客さんのところで楽しく編集しました。もちろんSEばりのアップロードに20分、レンダリングに30分、手直し含め、帰れるのは何時という話を最初からしていて、いっしょに刻んだことで、無事終わっただけでなく、レンダリング中に別件の提案を考え、帰り際に、面白い!次回すぐ持ってきて!打ち合わせしましょうとなった次第です。