その名の通り、手作りの世界。まさに未知で神秘的。紳士服を見ましたが、驚くほどの細やかで面倒な工程が多く、実際問題、好きでないと続けられない大変な業界だと感じました。
- 販売
- パターンおこす(型紙)
- 裁断
- 縫製
という工程があるとして、昔はテーラーがすべてできたようです。
かつて外国製の生地というだけで放っておいても売れた時代は去り、利益率を維持するために上流工程のみできるテーラーが増え、全部できる人は少なくなっているようです。
映像制作でいうところのプロデューサー、ディレクターと、製作チームが分かれるのと同様、分業が進み、裁断や縫製ができないテーラー。良いことか悪いことか解りませんが、映像は機材が進化し、むしろ数が少なくなっているのは、微妙な状況ですが(笑)
製造部門が進化の鍵
やはり技術なきところに進化がないように、進化の糧は製造現場にあるのも確かです。売り方の技術はマーケティングとも言われますが、大量消費時代をメディアコントロールできた時代はまだ機能したように思えます。
しかしイノベーションは、困ったが起点にないといけないし、その困ったに対して向かっていけるのは、製造部門そのものしかないからです。
どんなにITが進もうと、業務知識のないSEは役に立ちません。むしろ現場がIT知識を得て、自分達の使いやすい部分を効率化した方が、価格が安く、最短で向かうべきところに行けるはずです。
結局の問題の本質は、作るところと売るところが違っていたりすること。大手メーカーの疲弊の根本はお客様との接点を、量販店含め第三者に委ねてしまったこと。やがてニーズを吸い取り、イノベーションすべきところの肝心な情報源を、第三者に握られ、単なる製造工場と化したとき、その業界は死ぬのだと思います。シャープしかり東芝しかり。
情報発信+販売を直でやれるところが生き残りの鍵かもしれません。もちろん真のタスク分散(双方向の情報交換)ができるなら分業も悪くありませんが。