保育所の普段を見せるために、父兄におもねらず、撮影隊の都合も極力聞かない。その意味が解ったような気がする。
壁に張り出された紙を見ると、五感を使うことの大切さを知らせ、楽しみながら食材に触れることを目的に取り組んでいることが解る。
- 食材を見て食材名を答える
- 食べる音を聴いて答える
- 食材を触って答える
- どんな味がしたか答える
- においをかいで食材名を答える
うん、保育所はまじめだ。
きっと子供は真正直にぶつかってくるからだ。迷いや心に不信や、不満があると、きっと察知して、伝わらなくなるだろう。子供は子供扱いすれば子供を演じ、大人扱いをすれば大人を演じるという。これはイチロウやサッカーの本田の中学の手紙を見れば明らかだ。まさに大人が、両親が子供の未来を潰すかどうかにかかっている。お前にはそんな夢は叶えられないよ と一言言うだけで、子供の未来をストップさせることができるんだ。
にしても手書き。達筆は、見ていてすがすがしい。なんだか気持ちいい気分になる。もしこれがワープロだったら、きっと ずっと なんだか味気ない気がする。
ビジュアルも含めてじっくり眺めると、とても深い思考で教育課程が作られていることがわかる。
現代病ともいえる、スマホやタブレットなど、五感の中でも視覚だけを強いる分野が発達。テレビで話している言葉をご丁寧にテロップ化して並べる。障害の方への親切といえば聞こえは良いが、どう見ても意味のない言葉をひたすら並べている。聴覚を無視して無駄に目を酷使させるから、今の子供は名前を呼ぶより、紙に文字を書くほうが反応率が良いという。
最近はそれも通り越して眼が悪い子供が増えて、教室はメガネばかりという。消費財が売れるメガネ屋さんや、コンタクトレンズ屋さん、目医者さんは嬉しいかもしれないが、あまりに偏り過ぎの感がある。
手書き含めて、次の時代は間違いなく五感であるがために、バランスよく、全体を駆使しないと人間本来の技能が発揮できないだけでなく、いろんな病気にかかる恐れすらあるだろうと思い知らされた。でも良い人間作りに関わっている人は、意外と多いことを嬉しく思った。