講演会やイベントなどの映像収録に欠かせないものは、音です。音といっても意味がいろいろあって、こだわればこだわるほど難しくなるのが音なのです。
すごい映像業者
たとえばいろんな楽器が登場する場合、個別にマイクを使うのがベストです。さすがにオーケストラなどさすがに一人一本ずつというわけにはいきませんが、それでもがんばる人は、たとえば8つなどのエリアや特徴のある音源毎に別けて8チャンネル同時収録の機器に収録します。
何がすごいかというと、現場で聞こえる音が全てのはずの音楽も、販売向けのためにキレイに整音するために、編集時にそれぞれのチャンネルでボリュームを変えていくことがあるということ。
本来、CD販売のための収録&マスタリング作業に近い動きにも見えますが、そこまでする映像業者もあるようです。
もちろん聞いただけなので私は体験していませんが、一歩間違えたら作品を変えてしまう、まさにクレームになることもあり、演奏されるジャンルはもちろん、音楽そのものを知っていないと出来ない作業です。
映像業者でも差が大きいのが音
だから映像収録すると一言でいっても、依頼者、受託者、それぞれの常識が違うと大きなトラブルをおこすのです。公的な資格が存在しない映像業者の作業、特に音が大事な場合は、すぐに確認も出来ず、簡単なようで難しいのです。
話を元に戻して、主に講演会などのイベントでは、PA側にマイクや音楽など、使用される音源が入る装置があります。スピーカーにも出力されるマスター音源なので、これが一番クリアーに聞こえます。
だからこの音声をもらって、カメラ収録時にいっしょに取り込むことで、編集を楽にし、かつ劣化のないきれいな音を収録できるのです。
もちろんこれには例外があって、マスターにノイズがあったり、ケーブル品質や接続にミスがあると、テストや現場では気付かないトラブルに見舞うことがあります。
さらに、厳密なことを言うと、観客の拍手や、驚きなどのリアクション音は、PAさん側の体制がないと、ほとんど入らないので、無機質な音声になります。だから別途カメラ側でも収録するほうがいいのです。先のマスターノイズがひどい場合のバックアップにも、このカメラ本体で収録した方がよいでしょう。
昔はこの2本の音声をカメラに入れるために、業務用カメラには2本のCANONの入力があり、カメラは1台ですみました。
しかし現在は、一眼レフなどの収録も増えたため、ミキサー経由で入れるか、2台で別けるか、別途独立した2chレコーダーで収録するパターンが多くなりました。(何時間に何フレかのズレなど、まだまだ業務用でない機器が混ざる場合は難があります。)
いずれにせよ、鼻マイクというカメラマイクだけで収録した場合と、ラインからの音+鼻マイクの音声をミックスし、編集で音調整する場合では、クオリティーに天と地の差があるのです。
いつもながら長い前ふりですが、今回現場に行ったら、MDしか収録できないといわれて驚いたのです。交渉してようやくピンプラグが出てきたのですが、なんだかなぁという感じです。
音を知っている映像業者かどうかを知るには、ラインの有無を質問するかどうかかもしれません。なんちゃって映像業者が増える中、リハから参加するなど、前向きかどうかもポイントです。
もっともラインをもらうには、別途有償になる場合がほとんどで、しかもケーブルまで依頼すると、メーターがアップします。ケーブルはないということろもあるので、現地環境(人と機材)によるところが大きいのです。