マルチ編集を劇的に簡単に
カメラ台数を増やせば増やすほど絵の豊富さは増えるものの、当日のオペレーションや後からの編集を思うとするとぞっとします。
タイムコードというもので、テープ素材管理をして、編集作業を楽に進める方法も、いまだ現役だとは思いますが、それよりも確実なのは音軸で合わせることだと確信しています。
昔はこれも3rdベンダーの有料ツールで頭を揃えるぐらいでしたが、DavinciResolveが恐ろしく便利な機能を搭載してからは、こちらを愛用しています。
それはSync Bin機能
メディアプール内で同期させたいクリップを選択してsync CLipsボタンを押すと、音かタイムコード他、何で同期させるかを選ぶボタンが出ます。
ここで音を選ぶと、超高速で映像素材の音をサーチして、素材間の同期合わせをしてくれます。本数制限はないかと思います。
3rdベンダーのものと何が違うかというと、クリップが離れずついてくるということ。
素材がシンクした後、DavinciResolveをCUTモードにして、とにかく1素材を配置し、Sync Binを押すと、同期された素材が上部に並びます。
後は、最初に配置した素材の時間軸を移動しながら、その時のベストカメラを選択してやるだけです。入れ替えることも、上位レイヤーにおいて調整することも出来、従来のマルチ編集クリップとして活用することも可能です。
しっかり同期しているので、うっかり一つの素材を触ってリンクをずらしてしまうことはありません。これが無料で出来るのですから同業他社はたまったものではないでしょうね。
もっとも、音が撮れていないと使えませんが(笑)
さらに効率化
さて、3カメで先日撮影したイベントですが、1つの生中継配信を除けば、収録のみでした。
しかし総尺4時間近くある素材を見返して、あとからじっくり編集する作業は同期機能があるといっても、時間や予算が厳しい場合は苦痛でしかありません。
やはり収録日当日、現場でスイッチングしながらほとんど完成させるつもりで仕上げます。スイッチングの出力を外部レコーダーに出力しつつ、OBSにも保存しておきます。
後編集は、あくまでも最後の仕上げで、当日のミスを修正するために、引きの絵などの収録素材だけを限定的に取り込んでSync Binさせることで、圧倒的に作業時間を短くさせることが可能だと思っています。
おまけ
実はDavinciResolveの生みの親、Blackmagicdesign社のAtemスイッチャーシリーズのISOが付いたシリーズJ(10万ぐらいで買える)では、高速なSSDが必要なものの、カメラ側ではなくスイッチャー側ですべてのソースを収録しつつ、スイッチングしたポイントも後から修正できる編集プロジェクトの形で残っているようです。
同社のカメラがあれば、タリーライト、ホワイトバランス、ISO、シャッターの操作に加え、サポートしているレンズでは、アイリス、フォーカス、ズームをコントロールできます。Adobeはもう古い。恐るべしブラックマジック社だと思えるのです。