映像に字幕をつけるという行為は、映画での2ヶ国表示が一般的だが、テレビでもバラエティー番組などでいっきに一般化したように思える。 しかし一方で視覚だけが発達し、聴覚が衰えている現状もある。
話を戻して、昔訪れた編集スタジオでは、数千万円もする専用編集デッキでバラエティー番組用のテロップ編集をしていた。担当者に聞くと、このほうが早く、PCではやってられないとのことだった。
それがようやく、ネット世界でも実現している。この字幕ファイルの扱いに関してYoutubeでの機能説明をしたが、今回、さらに一歩進んだ活用方法を纏める。
一番面倒な字幕付け?
ご想像の通り、画面上にテロップをぺたぺた貼り付けていく手法。ひとつひとつタイミングを合わせながら、はみ出した場合は、また全体を調整する。先の編集スタジオでは簡単だが、PCでの作業は半端でない。
会社などでフォーマットが決まっている場合は、それに従えばいいが、めったにやらない場合は、都度、以下のような点を考慮が必要になる。
- フォントの位置(上部、下部、センタリングの有無など)
- フォントの大きさ
- 1行の文字数
- 何行にするか
- フォントの種類(公開する場合は、著作権の問題も絡む)
- イレギュラー(予期せぬ対応)があった場合は特別にフォントを小さくするのか、行数を増やすのかなど
長編になればなるほど、大変な作業である一方で、見る側にとっても統一感がない字幕はとても見えづらくなるのが、これをやっかいなものにしている。
当然、顧客に見せる場合は、修正が入った際に、再度やりなおしという、最悪のダメージを抑えるためにも、静止画で確認しておくことが最低必要だろう。
もっともこれが、オーサリング工程で必要だと思うと、なんとも非合理的な作業を強いられてきたのかと悲しくなる。
字幕付けの合理的な方法は?
今日、触ることになったデータがあったので、お客様の画像をお借りして、ざっと見ていこうと思う。
もっとも、このやり方のデメリットは色づけなどの個別の対応は難しい。ここぞというところだけ、先に個別テロップを併用することをお勧めする。
まずは簡単に流れを捕まえるため、概要を記述する。
- TMPGEnc Authoring Works 5で映像に字幕をつける。
テキストデータ、タイミングや、フォントの大きさ、1行の文字数などを設定する。
後編集もとっても簡単。字幕データはテキスト出力や入力が可能だから、全編にわたる主人公の名前変更があっても、メモ帳で一気に文字修正可能。文字と修飾データーが独立しているので、適用は一瞬。 - 完成したら、DVD(またはブルーレイ)形式で書き出す。
- Handbrake で上記書き出しフォルダーを読み込み、ファイルに書き出す。
字幕を映像に重ね合わせて動画ファイル化される
今回は3番以降を記述する。
Handbrake起動
まずはHandbrakeを起動。(本環境は以下バージョンで利用。Handbrake 0.9.9.5530 64bit Version、Windows7)
Sourceボタンを押し、字幕の入ったブルーレイディスクを読み込む。
フォルダとファイルが選択できるが、ブルーレイやDVDはフォルダなのでそちらを選ぶ。
うまく読み込めると、自動でチャプターの数だけ認識される。字幕文字を埋め込むにはそれだけではダメ。
Titleから該当のチャプターを選択し、さらにSubtitlesタブを選択。Addボタンを押すと、中に入っている字幕(今回はJapanese)が表示される。
ここでVBurn In(焼きこむ)のチェックを必ず入れる。ファイルの保存先は、Destinationの欄に入力。
最後にスタートボタンを押す。
Add to Queueを押せば、チャプターまとめてファイル出力が可能である。
この方式であれば、納品後に、万が一大幅な変更があってもテロップを付け直す行為は不要。さらにあるカットが丸々なくなっても、オーサリング工程に戻れば、秒数を設定し、全体を前後にずらすことが可能だ。
みなさんはどうされているか、知りませんが、一方的に書きました。もし、こういう便利な方法があるよという方は、ご連絡お待ちしております。 |