おっちゃんに おいでおいで!
長距離を歩いたので、ノドを潤すため、いつも買う販売機で100円の水を買った。
その時は2つ居並ぶ販売機の、同じ右側の背後に、人の気配を感じていたけれど、ヘッドホンボリュームをあげていたので、全く気にならなかった。
さっさと投入口から水を取り出し、去ろうとすると、おいおいおい と、かすかに呼び止める声が聞こえる。
恐る恐る見てみると、後ろのおっちゃんが、おいでおいでのポーズ。100円きっちりだったからお釣り忘れもないはず。嫌な予感はするけれど、販売機に戻っておっちゃんの指差す方向を、見てみると、なんと777。
パチンコ屋以外では、初の当たり!
当たりって本当にあったんだ。
何よりもおっちゃんが、イヤホンした私に、わざわざ声がけしてくれたのが嬉しかった。
誘導されるがまま、もう一本のドリンクを選ぼうとしたけれど、水以外に欲しいものはなく、5秒後、、親切なおっちゃんに当たりを譲ったのです。
改めて おっちゃんの立場で考えてみよう。声がけしなくても、声がけしても同じ結果だったにもかかわらず、後味の違いはとても大きいなぁと感じた大阪西区の図書館前での出来事でした。^_^ |
世阿弥 風姿花伝
世阿弥 風姿花伝 NHK100分de名著ブックスより
解説書を読んだ。業界の発展のために、秘伝として子孫に代々伝えられ、明治になり、多くの目に入るようになった書だという。
あの役者には花がある という表現で使われるこの花という言葉。ズバリ新しいこと、珍しいこと。四季折々の季節に応じて変化するものとかけているそうだ。
同じことをやっていたら飽きられる。これがキーワード。現代の能役者は作品を作らないが、彼はほとんどを37~44歳頃までに書き、50で書き足した。
初心忘るべからず の意味
これも 彼がつくった言葉。稽古もいい加減なのにちょっとして人気が出たからといって調子に乗って芸をおろそかにする若者が多いことへの警告がある。
その背景は、時代は年功序列から人気、パトロンの有無へと変わった。ただし宗教的な結びつきからどうやって、作品独立化するか悩んだという。
この言葉の意味は、若い時の気持ちに戻って、ではない。試練のときに工夫した戦略や苦労を忘れず、今回も何かを発見せよ。と説いているのである。
一生をかけて能を完成させる
年老いて全てがなくなったところに一輪の花が残ってる。これは千利休に通ずる。
やっていけないことをやっていいとされていたことに少し混ぜる。名人にリスクを与える。観客に面白いものを作る。規範からの自由。
600年続いた秘訣。やはり伝統をつむいでいくためには、こういう精神をもった先人と、その教えを全うする後継者の存在が必要だということと。
今でも通用する心に響く言葉。映像をやっている人間としては、とても参考になる話だ。