中庸勉強会&高橋是清 天佑なり

勉強したこと

  • 中庸の道とは、目に見えずとも確かにそこにあり、真心を尽くしてそこに至ろうとすれば必ずその姿が明らかになる、それを神仏の玄妙さに例えたものである
  • 水戸光圀時代は、身分の低いものでも徳があれば上に引き上げるという中庸を学び、実行していたということ
  • 天は自ら助くる者を助く(大いなる徳を備えるものには)

 

<高橋是清の生涯本を見て>

今回の課題図書、高橋是清を描いた 「天佑なり」幸田 真音 (著)でも、大いに中庸を感じました。

売却不能なアメリカ国債を900兆円買わされている今も悲惨ですが、あの当時から日本は綱渡り欧米列強の植民地政策から身を守るため、金本位制への転換、売れる要素ゼロの日本債権を販売するため、どれだけ是清の苦労があったか、そして彼によって日本が何度救われたかが解ります。

あの当時はアメリカやイギリスの投資家が支援してくれたから、日露戦争を切り抜け、賠償はとれなかったものの、ぎりぎりの条件で終わらせられたのですね。

写真 2015-10-17 11 11 16にしても、結果的に45%近くの戦費を外貨で獲得するという、是清が担った使命の重さは例えようがなく、現代に思い起こしても、まさに天が彼を与えてくれたとしか思えません。

とにかく彼は自ら道を切り開いていくスピリッツに溢れていました。いつの時代も、丸暗記して前例があるものに強い人は腐るほどいますが、前例のないものに強い人を探すのは一気に困難になります。

そしてもう1つ、彼が数え切れないほど自ら捨てた役職や権威、ものにこだわらない という潔い精神がありました。

写真 2015-10-17 11 11 52彼の数々の偉業の原点は、いろんな意味でハングリーだったこと。裕福な家庭で、きっちりした教育を受けていたら、彼は存在しなかっただろうと思います。

常に問題の本質を捉え、物事の道理&メカニズムを細部まで知り尽くす努力を常に怠らない、これが迅速かつ、二段、三段構えの緻密な行動に繋がりました。

 

幸田真音(こうだまいんさん)

写真 2015-10-17 12 43 48初めて彼女の作品を見ましたが、米国系銀行、証券会社の経験豊富な視点から見た是清の行動や、言動描写、日銀のだかん券や発行額、貸出総額など、正確な金融データ記載による考察は、迫力満点で、一般の日本人作家では描けない視点に満ちていました。

米英の投資家が何を求め、何が伝わったのか?の分析でも、今も昔も変わらない世界共通のキーワード 信頼と信用、が全てであることも示してくれています。

 

是清の精神

  • 70歳を超えてなお、4回も大蔵大臣を勤めた凄さ
  • 党内より、国務優先、自らの保身よりも国のために良かれと信ずる道しか眼中にない
  • 常に大局を顧みて、国家のために捧げて義を正し、道を明らかにして、勇往邁進する他はない
  • 政治の最前線から離れても、学びの姿勢は生涯崩すことがなかった。自ら研鑽を積み、努力で知識を得る
  • 閑雲野鶴(かんうんやかく)
    心は常に楽しみ、楽しませるこそあるもの。常に人生を楽しめ。

 

天佑(てんゆう)とは

写真 2015-10-17 12 48 07ふとタイトルの天佑という言葉を見てみると、天佑とは天の助け、キリスト教では神の恵みという意味。

関連用語で見ると、天佑は常に道を正して待つべし天は自ら助くる者を助く。といった様々な宗教などの教えに繋がっています。

つまり、人はそれぞれ役割をもって生まれていますが、その役割に気付いて99%の努力をしてはじめて1%の神のご加護があるということです。農業もしかり、努力の結晶の末、天との合作事が成る ということが解ります。

首相になりたい が目的の人間は、中身がない人が多いですが、日本を良くしたいという人間は、本人が望まずとも、周りが担いでくれるのです。

写真 2015-10-17 11 11 08役割なんて普通の人は誰もわからないけれど、好きなことを深く突き詰めていけば、大小関わらず、自然とそういうものにぶつかるものだと学ばせてもらいました。

とにもかくにも、昨日より今日、今日より明日、進化する・・与えられたものを精一杯やり続けるしかないということですね。

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