日本が売られる

「日本が売られる 」
著者:堤 未果
出版社: (幻冬舎新書)

今まさに日本人全てが読むべき著書。

本書は、前著書「沈みみゆく 大国アメリカ」で、自ら現地で体験した格差社会によるアメリカ社会崩壊を訴えた彼女から、中級階級であっても、低所得層に陥る事実を知りました。

特に公的医療保険のないアメリカでは、比較的 成功者に入る医者であっても、家族一人がガンになると、1人1億円、盲腸で200万円という ぼったくりに合う。世界製薬メーカーの薬が、自国民には3倍も4倍もの値付け、月1万の民間保険に入っても癌は2000万までしか入らないなど、中級層以下が没落していく現実が書かれていました。

それをストップすべく皆保険を目指したオバマ保険でさえ、製薬メーカーや保険会社が政治にバックドアで入り込み、必要な医療を保険外とするなど、法案骨抜きにする手法などが明らかになって ぞっとした記憶があります。

次は公的医療制度を持つ日本が狙われている と続編を臭わせる言葉があり、医療の株式会社化含めて、経済再生諮問会議が、国会を通さずいろんな法案を作っていると、まさにアメリカもびっくりの日本の状況を紹介。ロビー活動さえ不要な容易い国になったことを、痛烈に警告していました。

まさに本書では、日本が取り返しがつかない事態になった日本の水面下で進む悲劇を緻密なデータ、資料、取材によって明らかにしてくれている。

第1章 日本人の資産が売られる

1 水が売られる(水道民営化)
2 土が売られる(汚染土の再利用)
3 タネが売られる(種子法廃止)
4 ミツバチの命が売られる(農薬規制緩和)
5 食の選択肢が売られる(遺伝子組み換え食品表示消滅)
6 牛乳が売られる(生乳流通自由化)
7 農地が売られる(農地法改正)
8 森が売られる(森林経営管理法)
9 海が売られる(漁協法改正)
10 築地が売られる(卸売市場解体)

第2章 日本人の未来が売られる

1労働者が売られる(高度プロフェッショナル制度)
2日本人の仕事が売られる(改正国家戦略特区法)
3ブラック企業対策が売られる(労働監督部門民営化)
4ギャンブルが売られる(IR法)
5学校が売られる(公設民営学校解禁)
6医療が売られる(医療タダ乗り)
7老後が売られる(介護の投資商品化)
8個人情報が売られる(マイナンバー包囲網拡大)

第3章 売られたものは取り返せ

1 お笑い芸人の草の根政治革命 〜イタリア
2 92歳の首相が消費税廃止〜マレーシア
3 有機農業大国となり、ハゲタカたちから国を守る 〜ロシア
4 巨大水企業のふるさとで水道公営化を叫ぶ〜フランス
5 考える消費者と協同組合の最強タッグ 〜スイス
6 もう止められない! 子供を農薬から守る母親たち 〜アメリカ


既に経団連は外資が抑え(消費税増税を推進)、年金運用は100%投資対象になり(毎年1兆円外資の運用会社にプレゼント)、小泉進次郎がJAを崩壊させるために起用されたことなど、状況は深刻そのものです。

興味あればどうぞ!

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