映像マンがやるべき使命とは?

image1月前、宮部みゆき「火車」を読んだら、恐ろしく怖くなった。
自己破産者の凄惨な人生と、それを作った「ない金を使わせるサラ金業界」への強烈な批判があった。

文字で商売する影響力のある人間が、筆をとることで、社会問題解決への一歩、あの消費者金融 賠償問題への火種になったと理解した。

で、文庫本の裏表紙を見ると山本周五郎賞とあるではないか。

最近、「一人ならじ」「日本婦道記」など、あの時代のすごい女性の話や、無役の人物へ焦点をあて、如何ともしがたい心の葛藤や痛みを味わされる作品作りに前のめりだったため、残しておいた長編「彼の樅の木は残った」を調達していっきに読んだ。

読みきって、間違いなく今まで読んだ中で最高の本に出会ったと確信した。

長編もかけるんだ。いや長編の方がすごい。

 

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「この甲斐あって仙台藩 伊達家が救われた」
日常使われる言葉「その甲斐あって」は、歴史上では悪人とされたこの原田甲斐から来たと確信した。

周五郎さん良く言ってたらしい。
歴史上の出来事や人物を小説化する時、何より困難を感ずるのは「史的事実」のなかでどこまで普遍的な「真実」をつかみうるか、という点である。

勝者があらゆるものを破壊や抹消する国よりはましだけれど、都合の悪いことは改ざんしていることは間違いない。視点で大義名分が変わるからで、このことからも歴史を丸暗記する意味がないのは間違いない。

第三者の評価も日本の大衆文学史上にも数少ない名作のひとつで、NHK大河ドラマなど、映画舞台化された理由もわかるような気がする。

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