ドローンの進化は映像ビジネスにどう影響するか

2004年頃からいっせいに大学の研究室ではじまったマルチローター、いわゆるドローン研究。一抜けした中国dji innovationsは1200名、年間3万機を販売。年商100億円以上の売上を誇る。

シングルローター時代から大幅進化

 

 

マルチローター化し、空撮技術がパン、チルトの二軸にヨーを加えて三軸ジンバルに進化。

この強力になったブラシレスモーターが機体重量の3-5倍の荷物を運ぶ。

観測などの土壌系検査機関などが、一回の飛行で数十万円を稼ぎ出したが、もっと手軽に、もっと高画質に一式が10万円を切ってきた。世界でのものすごい市場が見えるだけに、メーカーは研究を加速させる。

ソフトウェア、プログラミングは大学の研究室が牽引。高性能なものは300-500万円。さらには時速50km、耐風性14m/sで1200万円といわれたものに近づいている気がする。圧倒的に低価格が進んだ。

カメラは別口、のように各種部品の組み合わせでも随分高品質、高機能の映像が取得できたが、一体化&実用が進み、完全最適化していよいよ次のステップにきたような気がする。

既に業務用では、欧州の物流大手 ドイツポストDHLはボンでの配送テストを成功させ、アマゾンやグーグルなどは通販やロボット、地図ビジネスなど基幹業務への活用を目論む。もちろん災害地など被害状況をいち早くつかみ、一刻も早く手を打つ必要がある分野には必須である。

飛行時間も20分を超えてきた。4Kなどの高精細化と、超広角レンズのひずみがなくなり、水平線がほんとに水平になる。しかも画像処理の進化で、見た目は揺れているのに完全に静止した不思議な映像だ。なぜかパンも出来る。

それを数キロ離れたところから、撮影中の映像を手元のスマホ、タブレットにモニター出力。電源や各種トラブル情報、コントローラーの電波範囲など各種センサーを備え、バッテリー残量がある限り戻ってくる機能まである。

つまり・・・と思っていたらやはり、ついに生中継までもが範囲に入ってきたのである。これはYoutubeなどテレビ局のお株を奪う試みにもみえる。

 

映像ビジネス視点ではどうだろう

アングルや斬新さでは抜群の技術であるけれど、ビジネスとして価格を設定するにはまだ怖い。何よりも安全面と、備品を壊した場合の補償や、撮れなかったときの問題、バッテリーが腐って5分と持たなかったとか、やはり違うジャンルの技術が必要なのは間違いない。

創世記の結婚式エンドロールづくりは随分とお金になったかもしれないが、冷静に考えると、現場は戦争状態だ。個人的には精神的なプレッシャーやリスクもついてくる

し、やりたくない。つまり取引先とリスクと責任をシェアしていればまだしも、映像業者側が不利な契約などで、縛られる世界にこれを持ち込むと、危ないということ。

いずれにせよ、鍛えるべきはどういう用途(意味)でこの映像を使うかという演出。
そうでなければ、意味もなく上空に上昇する映像とともに、見たものの心から気持ちが離れていくことになる。

 

要素技術概要

<上位制御>
無線モデム、カメラ-動画レコーダー、IMU、気圧センサー、GPS

<下位制御>
RCレシーバー、ジャイロセンサー、モータードライバー

<標準機能>
オートパイロット、ブザー、LEDアラート、ゴーホーム、自動帰還(バッテリー低下、無線途絶、異常検知)、寿命監視(モーター、ESC)、電圧監視、自動着陸、ウェイポイント飛行、フライトレコーダ、ID/pw検証

<カスタム>
ジンバル制御、カメラコントロール、、GPS/INS/SLAM、その他

 

参考文献:ロボコンマガジン2014.11号

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