撮影ロケハン後の情報共有?!

3カメうustream配信3カメでの撮影&収録に、Ustream配信までを全て受託するとなると、それなりに体制が必要になってきます。

今回、ロケハン時の現地写真を背景に、iPad mini上からそれぞれの役割や簡易機器類の接続形態を手描きしました。

自画自賛で恐縮ですが、改めて、複雑な案件の場合はビジュアルにして、スタッフ間で共有することで、事前にそこに潜むリスクや、ケーブルの本数含めた機材の整理、バックアップの考慮が出来ると感じた次第です。映像の設計図ですね。

 

進め方の例

映像制作は免許制ではないので、いろんな業者の数だけ、手法も 存在するでしょう。 しかしまずは収録や、最終納品フォーマット、クオリティーなど基本設計が必要でしょう。そのあと、設計に合わせたカメラ機材、ケーブル、保存媒体、当日のカメラマンへ選びや、指示出しの手法を検討する必要があります。

 

<生ライブ向け>

通常はそれぞれのカメラで収録するだけで、接続不要なスタンドアローン状態も多いのです。しかし生ライブになった途端、体制がいっきに複雑になります。

基本的な対応

それぞれのカメラの映像を集約して、スイッチ切替えの必要性が出てきます。小画面としての2、3画面の場合もあります。接続もSDIやHDMIといったケーブルを、カメラに接続し、映像をミックスするミキサーに繋げる作業が追加。もちろん音声も必要になってきます。現場で流れるBGM、持ち込んだ音楽CD、司会者の声や講演者、参加された皆さんに質問が入る可能性もあります。

閲覧者への配慮

一般的にはHD画質には2Mbpsでの配信が必要とされています。(配信ソフトや、そのエンコーダー選びによっては低レート、高画質は望める)。

とにかく観るのは誰か、PCで観るのか、スマートフォンなのかを決める必要があります。録画後のクオリティが重要ならあえて高解像度配信をする方がいい場合もあります。

著作権への配慮

生配信は、一斉に公の場に公開することが多いので、著作権にも注意が必要です。音楽は著作者から放送含めたフル許諾をもらえばいいんですが、通常は、なんらかの制限がかかっていることが多いです。今後は有料のイベントでの無断利用配信は、やってしまった後取り返しがつかず、恐ろしい賠償金額になることもあるかもしれません。

音声のミックス

音声のミックスも中々難題です。とはいえ昔からイベントでの歴史が長いため、会場付属のベテランスタッフ(外部業者など)が担当者に任せるのが一番でしょう。この音声を、先ほどのミキサーまで引っ張ってくるだけで、良いケースが多いです。CANONのLRでもらえばステレオになりますが、収録チャンネルに応じて 、使い分けと、会場側との調整が必要です。(有料になることもあるので、事前相談要です。)

まれに会場側から出る音声にノイズが乗っているケースもあるので、バックアップとして、カメラマイクでの収録をすることが一般的です。

インターネット設備

施設側に インターネットがあるかどうか も問題です。
なければ、Wi-Fiルーターなど、小型の所有端末を使うケースもありますが、容量制限との闘いがあるので、極力会場側に光を借りることをお勧めします。こういう調整も、依頼者が出来ない場合があって、請負う範囲と責任については、常に問題をはらんでいます。

こうして各機材を繋げる 機器構成ネットワークを組む必要があります。 昔は16:9か4:3といった流れもあったのですが、もう16:9一本でしょう。

 

<より高度に>

比較的楽なのは、当日のイベントが主で、生ライブの方がおまけな場合。

収録メインであとは全てチャレンジが出来ます。

一方で、スマホなど全世界に向けた新商品発表会など、生ライブが主で圧倒的にユーザーが多い場合は、より高度になっていきます。

映像は映像業者が集約

配信向けにオープニングを用意したりテロップを用意したり。PowerPointなどの資料も、カメラで映したものではなく、生データをPC経由で送り込む 必要があるでしょうし、生ライブ向けのSNS(FacebookやTwitter対応)なども考慮が必要です。もっとも、SNSは万が一映像が見られないトラブルがあった際の、保険として、配信側が利用すべきだと思っています。

とにかく、先ほどの音声のミックスを受け持つ人は、映像側には存在しないので、全部配信側業者がやらなければなりません。

リップシンク

さらに配信では、その映像と音声が合わない場合があります。音声の方がファイルサイズが小さいため、先に流れる場合があり、合わせる必要が出てきます。特に顔のアップでは、口が大きく映る分、リップシンクと言われる、リップ(口)と音声が合わせないと、生理的に気分が悪くなります。

高価なミキサーなどには、細かく調整が出来る機能がありますが、とにかく誰かがモニターしないとクレームになる場合があります。

トラブルシューティング

トラブルシューティングも問題になってきます。ネットがダウンしたのか、線が断線したのか、会場の電力不足で、停電したのかなど、配信業者から強制的に止められたのか(前に経験した)、まさに経験と、瞬時の切りわけ作業、そして顧客責任者への素早い報告が必要です 。

映像業者の範囲は??

現場へのモニター出しもやる場合は、さらに複雑になってきます。

本来、カメラマンの役割は、用途によって異なります。画面サイズの大きい会場向けの絵の撮り方と、小さい画面のUstream向け、販売など、ブレの許容度の限度がある収録向けは厳密には違います。

映画の撮影カメラと、撮影ドキュメント用のカメラを思い浮かべると、分かり易いと思います。

 

 

ざっと思いつくままに書きましたが、漏れが一つあっただけで、繋がらない致命傷リスクも抜群に高いです。例えばケーブル断線アクシデントなら、会場設備から代理でもらうこともできるでしょうが、例えばミキサーが不具合あったら終わり。もちろんカメラや三脚でも同じことが言えます。機材群もとても重く、重労働です。

ITとネットワーク、そして映像が次世代のビックキーワードであることは間違いありません。しかし緻密なシステムエンジニアのような設計力と、生ライブの経験がによる実行力が不可欠です。さぁ誰が一抜けるか楽しみです。

 

安全に確実に実行するには

スーパーマンも木から落ちる。だから 前日の動作チェックはもちろん、 本来は、前日のリハーサルも含めて確実にやるべきなのでしょう。まだ商業ベースに乗っていないイベントや、中央公会堂のような入札が必要な施設などでは連続で借りるのは難しい場合があります。

人数をかけたら良いというものではないので、早くインフラ(会場側の整備)と映像チームの作業が切り分けされ、お客さんのイベント本体に負けず劣らずの、積極的で高品質な配信が増えてくれば幸いです。

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