久々勉強会のネタ。本日、大型の台風18号が訪れるとのことで、時間を早めて京都に赴きました。
とうとう、中庸の学びも最終段階へ
あらためて、中国の学びは君子などトップの学び、つまり王道であり、日本の学びは、トップ以外もこれを学ぶから自ずと視点と適用幅が異なる。深く学んだトップを倒せば、民衆は自由に扱いやすくなる国に対して、皆が学ぶからトップが変わっても関係ない、他国から侵略されてこなかった理由を見た気がする。
読書感想文
「闇鴉-一休宗純」編
室町耽美抄 花鏡 (講談社文庫) 著:海道 龍一朗
総 論
人生は常に公案を師匠に突きつけられているようなもの。己のこころが方向を決め、未来を作る。産まれや財産は関係ないことはもちろん、いろんな、因縁を産み育てつつ、役割を果たす。
人生は修業そのものである。カラスの声が恐怖や、両親への怨みつらみから、生への有り難さに変わることで囚われが消え、人間に芯が通る。一休さんの場合は産まれぬ先の親に最後に会うことで成った。
難あり、ゆえに有難いということであり、難有りを削ぐ努力で、無に変わってゆくことこそ必要なこと。真の悟りや師匠から印がをもらうことはゴールではなく、使命を果たすための階段、過程に過ぎない。
ひょっとするとスティーブジョブズのごとく社会経験を通じた後、熟年で禅に向かう方が、若くして寺に入り、現場で無から有りを、無理やりつくる世間を知らない寺の修業より、学びが深いかもしれない。
今の若者はスマホが煩悩そのもの。自ら心に向き合う時間を奪われがちなのは不幸なことかもしれない。その結果、300万人とも、言われる精神の病、現代病を産むのかも。
各ページ毎
p272
本来、禅寺においては朝昼の二食が基本であり、夜の食事は取らない決まりになっていた。故事にならえば、古来の雲水たちは余りに空腹なため、懐に、温めた石を入れて座禅を組み、満腹のつもりになって、しのいできた。これを懐石という。それゆえ、精進料理を懐石などと、呼ぶこともある。
–>これでも人間は生きられるということ。むしろ粗食の方が元気?
p274
少ない食物を存分に味わい、感謝の心を、養うために、口に含んだ漬物を音も立てずに、ゆっくりと噛みしめるのである。禅寺での所作はすべて、こうした節制の礼法に、基づいて考えられていた。
–>噛むことで分解に必要な酵素が出るというから、昔の人は凄かった。あらゆる面で、無駄排除含め、理に叶うことが多い。
p.284中ほど
山門での修行は、厳しいだけに、求道しようとする同士には特別の連帯感が生まれる。修行の苦楽を共にした上輩と後輩は、世俗で考えられないほど強い絆で結ばれ、それが一生続いた。
–>どんな分野でも同じでしょうし、これこそ縁起の教えそのもの、縁があるからより、深くなるのかもしれません。
p.285最後
突きつめていえば、禅の修行は師を乗り越えるための戦いという側面がある。
–>昔の人は、やはり常に血液を身体中に循環させていたからアルツハイマーや、血液の病はほとんどなかったのだろう。
p.286中ほど
修行者にとっては己の存在意義をかけた論戦であり、相手はすでに大悟を、果たした老師なのだ。
–>
禅の修行とは、数学や物理、科学と同様、みんなで真実、信念を高めてゆく作業なのかもしれない。
よどみなく、素早い答えには、信念の強さと、日々、深く自分に向き合ってきた結果が出てくる。さらに全ての事象や物事について深く知ることを普段のシンプルな日常の中で行っていることになる。
p.320 後半
処遇など聞くまでもない。下の者が上の者に、乱暴狼藉を、働いたのだから、当然のごとく破門であろう
–>
人間の恐ろしさも、無力を知ることも含めて学ぶのが、禅なら、いったいその先はどこに向かうのだろうか。
p.382
食さねば死ぬということさえ忘れているものが、生きたまま解悟する、ことなどあり得ぬに決まっておろう。当寺では、己の腹を己で満たすために智慧を使う。悟りのために智慧を捨てるのは、智慧というものを使い潰してからのことだ。
–>現代で言う無一文から独り立ちすることも、それを味わえる秘訣かも。
今や記憶力、頭でっかちになって物理的なハングリー、たくましさがない。足るを知らない。
p.386中ほど
驚くことばかりであったが、、周建はすべてをそのまま受け入れ、老師の指導に身を任せることにした。…わかものの特権だったかもしれない。
–>年齢は関係ないと思う。師匠がまさにこのタイプ。ワインを植木にかける。赤ちゃんはウンチを舐めながら出てくる様な体の構造になっているなど、今も斬新な検知からの学びが続いている。
p.395ラスト
生きていること、それ即ち工夫なり
–>まさにそう思います。生かされているのは当然だが、生きる意思あっての生命。身体も笑いが、がん細胞を壊すように、楽しいことをやることが長生きする、まさに理に適っている。
p.406 中ほど
黙れ。己の寿命は、、己が最もよくわかっておる。
–>現代は薬や添加物のおかげで、緩やかな死から、死期のわからない即死が当たり前になった。