Webカメラというネット配信専用カメラによって手軽になった動画配信。
当時はその簡易カメラから取得できる低解像度、低音質の320ピクセルにも満たないタ映像を、低回線で配信するのが精一杯でした。
確実に進化する生中継表現
しかし時代は進み、業務用カメラを接続、テロップやインサート、マルチ画面はもちろん、マルチカメラでのスイッチングに加え、Web独自文化であるブラウザー画面や、コミュニティー画面など新しい表現が入り、デジタルサイネージの豪華版のようなものへと進化しました。
これには時間無制限?!、FHD60Pですら可能になった配信インフラのお陰が大きいですが、やはりユーザー側の配信ソフトの進化もバカにできません。
従来は、生でのクリエイティブはBGMテンポに合わせて選択された2素材映像とトランジッションを組合せたVJ(ビデオジョッキー)ぐらいしか、つまりセンスある人しか使えないVJソフトウェアでしか、その任を持たなかったように思えます。
しかし、デジタルサイネージの概念では、映像の上に情報が載るテレビ万歳の世界ではなく、広大な画面エリアをテキストや動画、画像といった様々なコンテンツをユーザーニーズに合わせて、複数本、自由に配置することが可能になっています。
生中継中でも各素材のON/OFFや、文字入力も自由ですから、リアルタイムクリエイティブに近い解りやすい表現が出来るのです。
しかもこの構成された画面は複数作ることが可能で、画面間を遊び心のあるトランジッションで切替られます。
これにより、単なる1カメそのままの画面だけの表現だった時代と比べると、イベントを丸ごとパッケージ化でき、しかもそのままカンパケ&公開となるので、ミス問題をのぞけば編集不要になってしまうのです。
これは、編集コストが出にくいクライアントの仕事で、かつスピーディーにYoutubeなどにアップしたいという双方の要望を満たします。
解りやすく言うならば、データ配信という点で、オリンピック中継のようなものに、SNSなどのコラボが加わったような状態かもしれません。
時代はリアルタイムに近づいていて、これからますます企業によるネット生中継が熱くなってゆくことは容易に想像がつきますが、応えられるよう準備を深めて行きたいと思います。