人によってはお手軽に見えないかもしれませんが、そもそも映像というのは、機材量が多いのが通例で、今回の体制も出来ることを考えると、とても省力的だといえます。当然、万が一のバックアップもそこそこ考えつくしており(ほんまか。。。)、生中継のリスクを抑える様な工夫をしています。
金にもの言わせる?
本来、生配信の場合、お手軽なのはデッキなど配線接続された各装置をトレーに入れた状態で運ぶスタイルや、トライキャスターのミニ?など、100万近く出してシンプルを買うという手はないわけではありません。
ただし、ソフトやハードがメーカー依存(特化)すればするほど、融通が利かない。カスタマイズが出来ない。つまり、細やかな表現を活かそうとすると、機械のマニュアルを見ても覚えられない言葉と操作の山が待っていて、PCでは一瞬で出来そうなことが、呪文のような工程で手をわずらわしいことが多い。
しかもブラックボックスでトラブルがあったらもうお手上げではと思います。そもそも頑丈なジュラルミンケースが重すぎで車がないと移動すら出来ないという化石時代の修行が多すぎます。
パーツを多くしてリスクを分散する方式はコンピュータの世界ではCSSシステムと呼ばれ、その対比にHOSTシステムがあると記憶しています。
つまり、サーバ1台で全てをこなせるHOSTシステムは、サーバが死んだら終わり。CSSシステムでは機能や性能をサーバー単位などに振り分けし、壊れた部分だけ置き換え可能です。結果、安くつくし、メーカーへの病院送り期間も短いでしょう。
今回の構成
とにかくうちのスタイルでは、たとえばスイッチングを例にあげると、iPadでPinPが可能です。4つに分かれたパネルから、子の映像ソースを親ソースにドラッグして配置。さらにピンチイン、ピンチアウトでサイズ変更した後、クリックするだけで確定。親子ともソース入れ替えもドラッグのみという、直感的で素早く自由度の高い子画面が出来上がります。
これは高度なタッチパネルとiPadアプリという組合せだからこそ、可能な直感的な操作。だから上記工程をハードだけでやろうとすると、ボタンは増えるし、直感的でない操作を覚える必要が出てきます。
しかもソフトはアップデートで機能アップ。さらにiPadで無線操作することで、スイッチャーの場所にいなくても、操作可能という隠れたメリットもあります。
デメリットは接続時間。すぐ開始できないというところ。今回は確認含めて1.5時間。
結局はギャラに応じて変えればいいということ。その予算なら無理といわず、簡易パターンで受ける。豪華ならこれといった風に、コストの幅を持ち、ニーズに最適化してゆくことが、これからの映像制作に必要な考え方でないかと思います。