体の異変
魚が、鯖の缶詰が当たったのかもしれない。今日に限って梅干し食べてないし、オリーブは欠如、例の漬物はご無沙汰だ。まさか血のついた生卵からの感染症?
とにかく腹がちぎれるほど痛くなり、吐き気もする。2年に一度もないあの現象がやってきたかもしれず、トイレに駆け込む。
11月には不釣り合いの大滝の汗が全身から滴り落ちはじめたが、意識が、遠のき、それどころではない。
両手両足が硬直し、例えようのない圧力が身体を小刻みに震わせる。
なんともいえない苦痛が続く。金縛りを通り越し、死後硬直とはこうなのか、いったいこれはいつまで続くのか、後遺症で何処かがおかしくなっても不思議ではない恐怖を全身に感じる。
脳だけが冷静に身体の異変を見つめているのは不思議な感覚だ。
わずかに残った思考能力に、胃と腸のあたりから、うえにする?下にする?と、尋ねてる気配がする。お風呂かご飯か、それとも…の新妻みたくお気軽に。
それ以外のこちらの意思でできることといえば、お腹をさするぐらい。
そうか、胃酸の逆流を取るかどうかは脳にも決済権限があるんだと、意識朦朧の中で、脳の神経細胞に記憶を刻む。
なんとか山を越したのか、自然と血の気が全身に戻る感覚がある。一仕事するために、血液を通じて善玉菌が腸に集められたのかもしれない。
それを証拠にどうやら赤色は血のようだ。
汗は、体の中をガンガン温め、悪玉菌を、殺すために作用したとすると納得がいく。
足おきマットや、衣類周辺をべちゃべちゃに湿らした汗が冷えてきた。
30分は格闘した気がするが、時計はたったの10分後を告げる。
しかし、歳をとってこのハードな闘いは、さらにこの先年老いていくと、体が持たない気がする。いったい身体の防衛省はどこにあるんだ。まさか大腸ガンか?こうなる前に防いで欲しいものだ。
その翌日
治ったかと思った腹痛だったが、結局、寝ている間も10回は腹痛で叩き起こされ、トータル1日半も格闘したことになる。そしてほぼ2日目に血が治まった。途中、体力回復したと思った直後に、もう一波大汗がやってきたのは焦ったが、これも体の不思議である。
体の不思議
ある女性が電車で停電が起こった際、バタンと倒れたまま気を失ったという。
あとでしらべると、昔エレベーターが故障し、密室で3日間閉じ込められたという。そして無事運び出された時、気を失っていた。それは体のエネルギーを極力省力化したという。
そのプログラムが脳に刻み込まれていて、真っ暗=省電力が働いたようです。人間は独自に防衛本能が動き、自身の体力と相談しながら最善をいっている節がある。
そう考えると、生死の境は案外狭く、交通事故リスクがない場所でも死ぬ時は死ぬ。奇跡でやはり人間は生かされてる。それなら死んでるように生きるより生きてるように死ぬ方が断然いいと確信した一日だった。