暑さ真っ盛りの京都、鬼の冠 武田惣角伝

暑さ真っ盛り、祇園祭で盛り上がる京都での勉強会。思わず青空が広がる中、Youtube Live(ネット生中継)開始前の10分間を抜け出して、厄病・災難除けのお守りであるちまきを買ってきました。

ということで、以下、課題図書の他のサブ図書、大ファン&今年5月に他界された津本陽さんの書籍「鬼の冠 武田惣角伝(実業之日本社文庫)」の感想です。

 

会津の小猿

開拓全盛期の北海道の荒くれを静めたり、狂犬を倒したり、ひとところに落ち着くことなく、全国を行脚し、腕試しをし、84歳で亡くなるギリギリまで現役だった人がいたとは初めて知りました。

しかも合気道の元祖とされる植芝盛平師匠であり、海軍や陸軍のトップや、全国の警察を鍛えていたとは、やはり「伝えたい」が本物なら自らやらなくても、勝手に弟子が付き、大勢の外国人までを弟子として広がっていく....我々のビジネスでも通用するノウハウを得たような気がします。

現代がありがたいのは、名前を入れればその肖像画・写真が観られること。子猿がぴったりの、無骨でぎょろっとしたゴツゴツした容姿からは、写真ですら隙がまったく見当たらず、もちろん年齢も解らない。一方で武田源氏の子孫だけに戦国時代最後の武士でかつ、現代のその精神を遺した武人だと確信しました。

 

長寿のヒントはあちらこちらにあり

武田惣角 成熟後は正義のヒーロー物語のようで、水戸黄門さまのごとく安心してストーリーを追えましたが、やはり凄まじいのはその体を作るまでの修行時代。子供ながら会津攻めの戦乱を見学し、武闘では失神を繰り返しながら、日に40キロを草鞋で歩き行う道場破りなど、命を懸けた武者修行であらゆる武術を経験し、相手の気を合わせつつ、心身を鍛錬する技法を突き詰めていく。

30代では衰弱し通用しなくなる武道と比べ、技法の威力はますます増える合気術は、熟年の70、80歳でも現役であるということで、今日発表された平均寿命、5年連続寿命を更新した日本人男性81・09歳、4年連続更新した女性が87・26歳といえども、もっと生き生きと生きられるのだと思った次第です。

そして津本陽さんは89歳だったようです。ご冥福をお祈りいたします。

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